第127回近畿救急医学研究会(The 127th Kinki Emergency Medical Research Society)

会長挨拶

「エビデンスとレジリエンス」

第127回近畿救急医学研究会
大会長 有吉 孝一
神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター長
有吉 孝一 写真

令和6年能登半島地震とその二次災害である羽田空港衝突事故で犠牲になった方々、深い悲しみの中にいるご遺族の皆様に心より哀悼の意を表します。

全国から救急に携わる多くの仲間たちが現地入りして継続的な支援を行っています。また派遣者の勤務を代わり、地元の救急医療を支えることも災害医療の一助であり、すべての関係者に敬意を表します。

さて、今回のテーマは「エビデンスとレジリエンス」としました。

ERの研究からエビデンスを出したい。という一貫した思いからです。
救急医学の中で、ERは集中治療に比べて臨床研究に不向きな分野です。第124回同研究会(水島靖明会長)の特別講演者としてお会いしたニューメキシコ大学 乗井達守先生と意気投合し、基調講演の約束を取り付けました。
当初の予定では
「リサーチは緩(ゆる)いが役に立つ:あなたがまだ知らないユル〜く楽しい臨床研究の副産物」
という魅力的な演題名だったのですが、これでは専門医共通講習認可がおりないとのことで無理を言って改題していただきました。柔軟なご対応、有難うございました。

一般演題は各部会合わせて64演題のご応募により、コンパクトにまとまりました。午後の四部会合同シンポジウムでは、医師、看護師、救命士それぞれ2名ずつ計6人のシンポジストに楽しく研究することをテーマにお話しいただきます。メディカルスタッフ部会からは神戸女学院大学 木村昌紀 教授による「救急医療へのコミュニケーション心理学の活用」と関連シンポジウムを、看護部会では神戸市看護大学 池田清子 学部長による教育講演

「看護が引き出す回復力-レジリエンスで視点もアプローチも変わる‐」を開催いたします。テーマに合わせていただき有難うございます。

実は、レジリエンスはエビデンスに続けてERの頭文字となる言葉を考えていて浮かびました。

災害から回復するためには日常を一生懸命に続けるしかないと思うのです。